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オプジーボ

  • gliomajapan
  • 2016年10月5日
  • 読了時間: 2分

超高額の医薬品としてたびたび名指しされる「オプジーボ」。

今日のニュースで、とうとう厚生労働省も薬価の引き下げに向けて動き出したようです。

オプジーボは2014年に日本と米国で承認された抗がん剤でヒトが本来持っている免疫機能を活用するため、がんの種類に関わらず効果があり副作用も少ないという(既存の抗がん剤に比べて)夢のような特色を持っています。

ただし値段が患者一人あたり一月300万円超と(恐ろしく)高いと言われてきました。

なぜ今、厚生労働省が薬価の引き下げに向けて動き出したかと言うと

  • 保険診療の対象が拡大している(メラノーマ⇒肺がんなど)ため利用者が急速に増加している

  • 高額な薬価だが保険診療(高額療養費制度)により、本人負担は10万円程度で残額は国等の負担になる

  • 二人に一人ががんに罹患する現在、利用者の増加は続くと見込まれ、薬価の引き下げを行わないと国の財政が破たんしてしまう(ちなみに神経膠腫でも治験が進んでいます)

という事のようです。

さてこのオプジーボ、実はノーベル生理学・医学賞候補として名前も挙がっていた本庶先生の研究をベースに日本で開発された薬です。そう、大隅先生が将来的な可能性を評価されて受賞したばかりのこの時期に、本庶先生の研究成果から生み出された薬品がニュースになるのも、不思議な縁を感じませんか?

nippon.comの2015年の記事によれば、オプジーボは開発元の小野薬品工業が特許を(仮)出願した2002年から12年かけて、やっと医薬品としてデビューを果たしたということです。

日本の特許権は期間延長制度を利用しても25年しか守られませんから、2016年には期間の半ばを過ぎています。

  • 製薬会社の立場に立つと、今後特許権が切れて後発薬が参入してくるまでの期間で開発にかかった費用を回収し利益を上げ、利益を原資に新たな薬の開発へとつなげていかなければいけません

  • 患者の立場に立つと効果のある薬をどんどん保険適用して欲しいし、高額療養費制度の対象にしてほしいということになります

  • 国の立場は、先程述べた通り保険適用しつつ財政負担の許す範囲内に薬価を抑え込みたいということです

単純な多数決であれば、2対1で保険適用して薬価を抑え込むという結論になりそうですが、それでは新薬を開発する会社が無くなってしまうかもしれません。非常に難しい問題です。

どこに決着するのか、固唾を飲んでこの議論を見守っていくことにしたいと思います。

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