オプジーボ その7
- gliomajapan
- 2016年12月26日
- 読了時間: 2分

しばらく前の日経新聞に「オプジーボは大病院で」と題した記事が載りました。
記事には
「適正な使用を促し医療費の膨張を抑える」
「全国427施設あるがん診療の拠点病院」などに限る
ともありましたので、
随分と思い切ったことをするもんだと思っていたのですが
中央社会保険医療協議会のホームページから該当の資料をダウンロードして見ると
実際はちょっと違うようです。
記事の中で挙げられた427施設は資料で触れられている施設のごく一部で
その他にも外来化学療法室を設置している2,538施設でも治療が受けられます。
厚生労働省の医療施設動態調査(平成28年1月末概数)によれば
一般病院は7,408施設ですから3軒病院があれば少なくとも1軒の病院で治療が受けられることになります。
今回の厚生労働省のガイドライン案は
2016年7月に日本臨床腫瘍学会から出された文書と同様、副作用への対応を行うためという側面が強いようです。
なお、2016年7月には「がん免疫療法」との併用により
重篤な副作用が発現した症例が6例(うち1例は死亡)報告されたという文書が、小野薬品工業から出されている事にも注意が必要です。
ありていに言えば、
オプジーボの作用機序に「免疫」って言葉が入っているけど
「がん免疫療法」との併用により効果が高まると期待して自由診療に駆け込まないように!!
という意味合いなのではないでしょうか?
自由診療は通常高額になりますので、記者さんがその説明を「医療費の膨張を抑える」と誤解したとすればつじつまが合いますね。
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